草刈智則

Tomonori Kusakari

工場長

2002年入社

ファクトリーでは、箱班、テーブル班、そしてWOOD YOUのアイコニックな商品も多いチェアを中心に作る椅子班の3チームに分かれて製作しています。2002年に入社した草刈智則は、工場長。入社20年目のベテランです。ゼブラチェアの発案者でもあり、WOOD YOUを代表する数々の家具を手がけてきた彼が、家具作りで最も魅力を感じているのは手道具を使った作業。カンナで無垢の木を削りあげる作業を何よりも楽しく感じています。

WOOD YOUの家具職人になったきっかけは?

昔、『室内』という雑誌があって、本屋でパラパラ見ていたらWOOD YOUの求人広告を見つけたんです。無垢だけを使った家具屋さんは長野や北海道にはあるけれど、東京でやっているというのが珍しくて、いいなあと。
働きたいなと思ったのですが、その時は経験者でないと入社できないから、どこかで経験を積んできてくれと言われて。それで別の家具メーカーで7年働いて、30歳の時にようやく参加させてもらったという感じです。
ていねいに良いものを作れば、無垢の家具は孫の代、それ以上に長く使ってもらえますよね。素敵な仕事だなと学生時代から感じていて、グラフィックデザインを学んだ後、この道に進みました。

会社はどんな雰囲気?

忙しいのは前の会社と変わらなかったのですが、ファクトリーの雰囲気がすごく良くて、最初から好印象でしたね。なにより、僕自身がWOOD YOUのファンでずっと憧れていましたから、入社できたこと自体が幸せでした。WOOD YOUに入る前も椅子をメインに作っていたので、最初からアイチェアなどのブランドを代表する椅子を任せてくれたことも嬉しかったです。20年勤めてきましたが、若い職人も増え、ファクトリーも和やかな雰囲気になっていると思います。
それから、僕は木肌をかんなで削る作業が大好きなので、手道具を使えることも大きな魅力です。今年から「道具直し会」という、カンナなどの手道具の勉強会を主催しているのですが、若手とのコミュニケーションの目的も兼ねていて、今後ももっと若手が知識や技術を早く身につけられるような機会を増やしていけたらと思っています。

一番やりがいを感じる時は?

制作から納品まで、職人が携わることができるのでモチベーションが上がりますね。お客様もうちの家具が好きで買ってくださっているので、話が弾みますし、大事に使うと言ってくださることが、やりがいにつながります。
それから、商品開発も楽しいです。ゼブラチェアという椅子があるのですが、これは僕の知り合いの整体師さんから相談を受けたことがきっかけで生まれました。「暮らしの中から腰痛や肩こりをケアし体への負担を軽減してこう」というコンセプトに始まり、一年半かけて試作を重ねた思い出深い椅子です。このゼブラチェアがコルトチェアやアキシマチェアの背あたりの角度の参考になったことを思えば、作る意義があったなと思います。自分のデザインしたものやアイデアを形にできる土壌があるのは良い環境だと思います。
他にも、WOOD YOUから独立した職人や外部デザイナーとのコラボなど、さまざまな取り組みができそうだと感じています。